あなたの家の構造、ちゃんと計算されていますか?

これを聞いて、「構造計算書が出てます」と答えたあなた、実は心配です。
構造計算書は、建物が倒壊しないように、計算されていますが、構造体のたわみの許容値が大きかったり、逆に不必要なところに大きい材料を使っていたり、コストと安全性が比例するわけではありません。
第1回は、建物の重さや力の流れを説明いたします。

例えばこの画像のような構造体があるとします
屋根には基本的には均等に、同じ重さがかかります。
ここでは、屋根は無落雪とし、瓦などの重い屋根ではないと仮定しますが、
固定荷重で1㎡に64kg程度 畳1枚に約100kgの重さがかかります。
まずは、 この屋根組の重さを耐える、下部の構造体が必要になるわけです。
さらに、積雪荷重として、短期では4200N/m2もの重さがかかります。(積雪量140cm:これは、420kg、畳1枚だと約700kg弱にもなり、本体の屋根の重さの7倍もの重さがかかります。) 

長期でも約294kg 400kg以上の重さが常時のっていることとなり、屋根を人間の頭だとしたら、常に頭の上に8歳児がのしかかっているような重さです。これはしっかり計算に入れないと、大変ですね。首の強さも相当必要です。


短期で言えば、7倍ですので、中学生が頭にのしかかっているイメージです。どれだけ、建物が頑強な補強をされているか、想像できるかなと思います。

同時に、雪のない地域ではこの強度が必要ありませんので、設計の制約も大きく異なります。

そして次に、 その面で受けている荷重が、梁(橋のようにかかる、水平方向の構造体)にかかり、さらに柱にかかって下階に流れていきます。 面で受けていたものが、線で分散するため、それぞれの柱や梁に集中的に荷重がかかることで、構造体として必要なサイズが決まっていきます。

そして、それぞれの構造体が許容値におさまっているかをチェックするのですが、
ここで、構造計算と実用値で認識が異なる部分がでてきます。
梁材が構造計算上OKかどうかは、せん断(亀裂が入らないかどうか、というイメージ)やたわみ量、端部の構造等で決まるのですが、今回で言えば、3.4mほどのスパンで、17mm程度までは梁がたわんで良い、ということになります。

ここが問題で、 2センチも梁が下がれば、天井ボードにはほとんどといっていいほど、ヒビが入ります。それを見て、この建物大丈夫かな?という感覚になるのですが、これを許容するのか、だめなのか。そういったことを考慮・説明しているのか、これも設計の責任であると考えています。
ドアの上の梁が2センチも下がったら、ドアが開かなくなるのは想像に難くないですよね?
こういう点に関しては、構造計算や検討ができなければ、おろそかになりがちです。
おしゃれな建物だけど1冬越えたらヒビだらけ…。なんてことありませんか?
構造に関して質問して答えられる設計士なのかどうか、 ぜひ確認してみてください。

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創業230年の歴史と、常に”もっと上”を追求する経営    最新鋭の3DCG提案に、構造・断熱の細かな全棟計算。 戸建・アパート・グループホーム等の新築・リフォームに留まらず、寺院の宮大工工事、遊戯施設の大型空調設備の計算・施工、美容室・飲食店の設計施工、果ては食品工場の新築・改修まですべての知識を持って、要求に応えます。 ”どこに聞いたらわからない”個人のお客様  ”すべて任せられる・応えられる人に相談にのってほしい”の法人のお客様 ぜひ一度問い合わせください。

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