第2回では、熱の3要素を説明しました。
<伝導・対流・放射>
前半部分、断熱の指標に使われる言葉も説明しながら、
題1回でとりあげた断熱材の秘密に迫ります
断熱の指標には大事な言葉や数値がいくつかあります。
まずは、熱伝導率の代表的な数値を以下にご紹介致します
断熱材の種類(大分類) | 断熱材の種類 | 熱伝導率(W/m・K) |
---|---|---|
繊維系断熱材 | グラスウール(10K) | 0.050 |
繊維系断熱材 | グラスウール(24K) | 0.038 |
繊維系断熱材 | ロックウール | 0.038 |
繊維系断熱材 | セルロースファイバー | 0.040 |
繊維系断熱材 | インシュレーションボード | 0.052 |
発泡プラスチック系断熱材 | ビーズ法ポリスチレンフォーム(4号) | 0.041 |
発泡プラスチック系断熱材 | 押出法ポリスチレンフォーム(1種) | 0.040 |
発泡プラスチック系断熱材 | 硬質ウレタンフォーム(1種) | 0.029 |
発泡プラスチック系断熱材 | ポリエチレンフォーム | 0.042 |
発泡プラスチック系断熱材 | フェノールフォーム | 0.020 |
その他 | 木材 | 0.130 |
その他 | 鉄筋コンクリート | 2.300 |
その他 | アルミニウム | 200.000 |
「
ことになっちゃうけど、0.2mmでも、208mmのグラスウールと同じ能力なんじゃ・・・?
~0.2mmの材料の熱貫流抵抗値はグラスウール208mmに相当する3.96m2・K/W(へいべいケルビン ワット)~
よく見てみると、208mmの比較に持ち出している数値は、R値という、
厚みを熱伝導率で割った値、のほうでしたね。
じゃあ、各断熱材のR値っていくつなんでしょうか?
実際、施工時の厚みを考慮したものがR値なので、本来正しく比較できる値は、R値となります。
3.96だったとしましょう。 R値は長さの単位はメーターなので、0.2mmは、0.0002(m)となります
0.0002÷0.034=0.0059m2・K/W あれ?3.96までは到底届きませんね。。。
8mmは、0.008mなので、0.008÷0.034=0.2353m2・K/W ・・・R値が0.23になってしまいます。
でも、表に記載されているのは、1.70㎡・K/Wもしくは3.96などでしたね。どちらの数値でもかけ離れています。
実際、高性能グラスウールのR値は100mmで2.8ほどで、その1/10ほどの数値しかでていないことになります
これをもって3.96というのは、正直、誇大広告だと思っています。
要するに、0℃の部屋と20度の部屋があって、有る試験体の壁を介して、隣の部屋の温度がいくつ変わったのか
を試験したわけですが、JISA4710の正しい試験方法が行われたか、ということはまずおいておいて、試験方法は
正しいとしても、これって、
サイディング+空気層+遮熱材+空気層+石膏ボード を介した壁全体の熱貫流抵抗になります。
遮熱パネルの熱貫流抵抗ではありません。 相当問題です。
密閉されて動かない空気が、断熱性能がとても高いので、複層ガラスはその空気層で単板ガラスをはるかに超える
断熱性能を持ち、トリプルガラスはそれがさらに1層、空気の層が増えるので、断熱性能が大きくあがるという性質があります。
この場合だと、空気層が2層ですので、その空気層の密閉にしっかりと気を払って施工すれば、かなりの断熱性能をあげることができます。
こんなのに騙される人っているの?専門家なら皆わかりそうだけど・・・
本当に、ある隙間に塞いで少しでも寒さを和らげたい、というときには、まったく効果がないわけではありません。
高性能グラスウールを10mm以下しか施工できないときに、使う分には、10mmだけの性能はあるかもしれません。。。
家の断熱をこれでまかなうなんて、考えられませんが・・・
でも、家1軒これだけで大丈夫ですよ!と言いながら建てられた家も一定数あります。。。
もちろん、放射に対する対策としては優れていますが、残りの2要素が考慮されていません
営業マンの言葉を信じて、施工者も良いものだと思ってそのまま施工してしまう、、、かなり怖い話です。。。
その理由は、熱反射率97%と、宇宙特有の熱のお話に関わります。
長くなってしまうので短めにまとめますが、宇宙では真空であるがゆえに(空気がないために)熱の3要素のうち
対流がおこらず、また、伝導も、基本的には起こりません。
伝導に関して少し補足すると、空気も、水も分子レベルでは物体と接しています
その分子レベルでも少しずつ伝導は起こります。
その伝導ですら、空気がないと起こらないのです。
要するに、宇宙空間ではほぼすべてが放射によって起こります。
電磁波をブロックすることが主目的に置かれるために、前述の材料が採用されるのです。。。
家1軒まるごとあの素材で!なんて言う専門家は、その専門家も眉唾話を鵜呑みにしてしまって
いるので、ぜひこの事実を教えてあげてください。。。。